長浜市元浜町7-8
「翼果楼」 【239】
琵琶湖北岸に位置する「長浜市」の、JR北陸本線「長浜駅」から駅前通りを約300㍍進み左に折れ「北国街道」へと入る。 その黒壁が懐かしい街並みの、約150㍍先右手に佇む、連子格子と白壁の重厚な商家が目印の郷土料理専門店です。
店頭には湖北に伝わる「鯖そうめん」を紹介するビデオが流されており、行き交う観光客が熱心に見入っていましたよ。
脇の石畳を歩き店内に入ると、時代が一気に明治時代にタイムスリップしたような感覚に陥ります。
尚1階は土間に続いて3間(上がりとの間・ビードロの間・茶室)と、庭に面した縁側が設けられています。
この日は既に1階は満席となっており、2階へと通されました。
重厚な梁が筋交う2階部分は2部屋(弁天の間・街道の間)在り、より趣きに浸ることができますよ。 また仲居さんのお話によれば、此処は築200年の元呉服問屋だったそうです。
お品書き①
先ず始めに鯖そうめんについての謂れが、事細かに綴られています。
お品書き②
名物の鯖そうめんの単品と、郷土色の強い手頃な定食がラインナップされています。
お品書き③
チョット贅沢な御膳や、和スイーツもありましたよ。
「鯖街道 焼鯖寿司付 1,770円」
メインの焼鯖そうめんに、寄せゆば豆腐、焼鯖寿司、可愛い鯖を模った麩が泳ぐ吸物が付いた、旅の思い出にはピッタリの定食ですね。
素朴な出で立ちの焼鯖そうめんなれど、眺めているとなぜかしら仄々と、懐かしさが込み上げてくるから不思議です。
琥珀色に染まった艶やかなそうめんは、2日間煮込まれた焼鯖の旨味が凝縮され、その優しい味わいが病みつきになる程です。 またのってある焼鯖もホロホロとした食感が心地良く、そうめんと交互にいただくと、次第に味がふくよかになり、京名物の「にしんそば」に似た風情が楽しめ言うこと無しです。
焼鯖寿司。
焼鯖の香ばしさを、シャリとの間に挟んである生姜がより引き立たせており、コチラも一気に三貫パクパクッ!と平らげてしまいました。 美味い!
所謂「名物に旨い物なし」とよくいいますが、その格言は鯖そうめんには当てはまらず、素朴なれど洗練された味わいに、「また食べたい」という衝動を掻き立てます。 次に黒壁スクエアを散策の折りにも、伺いたいと思います。 ご馳走様